介護業界の職種というと要介護者と直接触れ合う介護職員をイメージされがちだが、管理業務を主な仕事とする職種も存在する。その一つがサ責にあたる。サービス提供責任者の略称であるサ責は、訪問介護の現場を仕切る管理責任者という立場になる。サ責は介護事業所を経営するに当たって、最低1人、規模によっては数人を常駐させなくてはいけない。そのため、介護業界でも特に需要の多い職種と言われていて、転職しやすいのが特徴だ。とはいえ、雇用形態や勤務する事業所による細かな違いがあるので、しっかりと見極めた上で決めることが重要となる。
転職をする上で最初に考えなくてはいけないのが雇用形態だ。サ責は通常の介護職員と同様に、正社員から派遣まで複数の働き方がある。雇用で仕事内容が大きく変化することはないが、正社員と派遣では年収に数十万円以上の差が出てしまうことも珍しくない。収入面を重視するのであれば、正社員雇用を目指すのが最適と言える。ただし、正社員は勤務時間や休日に対応しづらいため、子育てとの両立を考える人は注意が必要だ。
勤務地の経営規模の見極めも転職の大事なポイントに挙げられる。管理職という立場上、現場で働く介護職員やサービスの利用者が少ない方が仕事の負担を減らすことができるが、責任も大きくなるのは否めない。大手の事業所は職員や要介護者の数は多くても、常駐させるサ責の人員も増えるため責任と負担を分散させることができる。また、大手は福利厚生を始めとした雇用条件に期待が持てるのも魅力だ。